遠い空の下で
セリアン・ラボは目下開店休業中である。
簡単な依頼なら請け負えるが、複雑な依頼や店の主人であるキールしか扱えない依頼は基本的に断っているからだ。
キール・セリアンがダリスに出向してから、三週間が過ぎようとしていた―――
「メイ、何を一生懸命読んでいるんですか?」
「ん、これ?ちょっとね」
休日にセリアン・ラボを訪れていたシルフィスに声をかけられ、メイが分厚い魔道書から顔を上げる。
キールが不在になってから、頻繁にシルフィスがラボを訪れるようになった。
街の警邏の途中に寄る事もあるし、今日のように休日を利用して訪ねる事もある。
友人として、一人で留守を預かるメイの事を気にかけている事も確かだが、
セイリオスとシオンから時々様子を見に行ってやってくれとも言われている。
「まだマスター出来てないんだけど、どうしても試してみたい魔法があってね」
そう言いながらも、メイの表情は微妙な感じだった。
「難しいんですか?」
「レベル的には、出来ない事はないと思う。ただ呪文を正確に詠唱出来るかどうか、それが問題」
シルフィスはメイに促されるまま魔道書を覗き込んだが、そこには果てしなく続く長い呪文が書き綴られていた。
ほとんどがクラインの文字で書かれているのだが、所々何と読むのか判らない特殊な文字もある。
魔道士のみが使う、魔法文字であった。
「私は魔法はよく判りませんけど、相当長い呪文なんでしょうね」
「普通の魔法で使う呪文の、ゆうに五倍は長いかなぁ」
それを一言一句違える事無く、正確に詠唱しなくてはならないのだ。
おまけに呪文の詠唱に伴なって、手で切らなければならない印もある。
呪文の詠唱は、最悪魔道書を見ながらでも出来ない事はないが、印は憶えてしまわないと話にならないだろう。
「舌を噛みそうなこの呪文を、まずは立て板に水を通すように読めるようにならなきゃね」
「立て板に水…ですか?」
ぽろりと出たメイの一言に、シルフィスが不思議そうに首を傾げた。
「ああ、こっちじゃそういう表現はしないか。ようするにこれがスラスラ読めなきゃ駄目って事よ」
あたしの世界の諺よと、メイはシルフィスに説明した。
「ところで、一体何の魔法なんです?」
「これはねぇ…キールへの誕生日のプレゼントかな」
くすりと笑っただけで、メイははっきりとした言葉でシルフィスの質問には答えなかった。
「キール、そう言えば貴方、そろそろお誕生日じゃありませんの?」
お茶の時間にティーポットを傾けながら、ディアーナが不意にキールの顔を覗き込んだ。
ここはダリス王城の談話室である。
諸事情により単身ダリスに出向しているキールを気遣い、時折ディアーナはこういう席を設けていた。
「どうしてディアーナ様が俺の誕生日を知ってるんですか」
何となく察しは付いているのだが、少々上目遣いで一応聞いてみる。にっこり笑うとディアーナは、予想通りの返事を返してきた。
「そりゃあ勿論、メイに聞いたんですわ。
去年の今頃は色々大変な時期でしたけれど、それでもメイはキールのお誕生日のプレゼントを選ぶのに一生懸命でしたのよ。
私とシルフィスもお買い物に付き合いましたから、よく憶えています。確か、今月の15日でしたわね?」
昨年の今頃は、丁度このダリスとの戦争が回避できるか否かの瀬戸際だった。
シルフィスやレオ二ス、メイ、そして自分自身も、戦争回避の為の作戦の中心になっていた。
そんな中でディアーナの人質同然の輿入れが決まったものの、
それがレジスタンスの頭目に身をやつしていたアルムレディンの手によって阻止された事で、事態は一気に収束に向けて動き出したのだ。
…メイから贈られたのは、愛用していた革グローブの新品だった。
『使い易くて気に入ってるんでしょ?だったら、同じ物がいいわよね』と、彼女は型も色もそのままに、全く同じ物を選んできた。
今身に付けているのが、まさしくそのグローブである。
ディアーナの視線が意味ありげに自分の両の手に注がれている事を感じたが、敢えて何も口にはしなかった。
「ほう、幾つになるんだ?」
同じテーブルを囲んでいたアルムレディンが、興味深げにキールの顔を見た。
キールはあまり自分の事を話さない。
聞かれた事には答えるが、多くの情報は今のように第三者の口から聞かされる事の方が多いのだ。
確か少し歳下だったように記憶しているのだが。
「今年二十一になります、陛下」
問われて、そう答える。
「私と二つしか変わらないのか。それで緋色の肩掛けを取っているとは恐れ入った」
情報としてキールが『緋色の魔道士』の二つ名を持つ事は知っていたが、改めてその歳若さを聞くと驚きを禁じえない。
この世界に生きる魔道士は、国を問わず全て肩掛けの色によって実力を推し量る事が出来る。
緋色の肩掛けは、魔道士最高の称号の証―――長い修行の日々を経ながら、一度も手にする事無く命を終える者も決して少なくない。
その緋色の肩掛けを至上最年少で手にした天才魔道士―――キール・セリアン。
決して不条理な力を行使する人物ではないと判っていても、彼が敵にならずに良かったとも、素直に思う。
「アルム、忘れないで。キールは何もせずに今の名声を得たんじゃありませんのよ。
いっぱい、いっぱい努力して…そうして、緋色の肩掛けも取ったんですの。そういう意味ではわたくしも貴方も、キールと変わりませんわ」
ディアーナが目を細めて、ねぇ?とキールの顔を見た。
メイがよくディアーナに言っていた言葉―――それは、キールは決して特別ではないのだと。
周囲から天才魔道士と誉めそやされているが、彼は血を吐くような思いをしてその力を得た。
素質はあったのかも知れないが、彼を培ったのは、不屈の精神力と努力だった。
初めから完成された天才など存在しない。
成したのは自分自身の力―――それは確かに、一度は廃嫡され、それでも自力で王位を奪還したアルムレディンにも通じるだろう。
十年という長い時を経ても変わらぬ想いを貫き通し、彼について行くと自分の意思で決めたディアーナにも。
「……俺は、俺に出来る事をやるだけですから」
「―――貴方のそう言う所が、わたくし昔は大嫌いでしたわ。とっつき難くて、偉そうで」
思わず鼻白んだキールに、くすりとディアーナが笑いかける。
「でも、メイに出会って……メイの口からわたくしが知らなかった、本当の貴方をいろいろ教わった。
感謝しています―――言葉では、とても言い尽くせないけれど……ダリスに来てくれてありがとう」
キールがどれ程のものを犠牲にして、今ここに居るのか。
研究院から独立して立ち上げたばかりの自分のラボ。最愛の妻。彼女と過ごす筈だった時間―――
それが判っているから、するりとドレスの裾を引き、ディアーナは静かに頭を垂れた。
アルムレディンも目を伏せ、妻と意を同じくする事を示す。
「……どうぞ、お気遣いなく。それが俺の仕事ですから」
キールは思わぬ礼に驚いたが、気を取り直すと、二人にそう声をかけた。
国王夫妻に頭を下げられるなど、そうある機会ではないが、その事を重荷にはしたくない。
「仕事ですから、約束された報酬分以上は働きません。ここでの役目を終えましたら、すぐにでもクラインに引き上げますので」
口元だけ笑って不遜な事を口にしたキールに、アルムレディンは額に手を当て天を仰いだ。
「しまった、先手を打たれたか。その内、ダリスの筆頭魔道士の打診をしようかと思っていたのに」
「まあ、アルムったらそんな事を考えていましたの?」
ディアーナが驚いたような顔をする。
キールは冗談だろうと思っていたが、当のアルムレディンは存外真面目な顔で頷いた。
「ダリスの魔道士は、そのほとんどが力を枯渇させたと言っていい。力有る魔道士が喉から手が出るほど欲しいのは事実だ。
キールが筆頭魔道士としてダリスに残り―――勿論、この場合はクラインから奥方を呼び寄せる事になるが―――
ダリス国内の魔道士の指導者的立場に就いて貰えればいいと…考えなかった訳ではないよ。無論、無理強いはしないがね」
そういう選択肢もあるのだという事を、頭の隅にでも留めておいてくれと言うに止まり、アルムレディンはその話を終わりにした。
冷めてしまったお茶を淹れ直そうと、ディアーナがカップに手を伸ばす。その時ふと、キールの胸元から淡い光が零れるのに気付いた。
「キール、胸の所で何か光ってますわ」
「え?」
彼女に促され、自分の胸に目を落とす。胸元に入れていた小さなオーブが、淡く光っていた。
それは意思伝達用のオーブだった。
魔法維持の関係上あまり長時間使う事は出来ないが、少しの会話なら十分に出来る。
相手に何か伝えたい事があって、キールが応えるのを待っているのだ。
「すみません、お茶はまたの機会に。俺はこれで失礼します」
「わたくしとアルムが、よろしく言っていたとお伝えくださいな」
オーブを手に席を立ったキールに、事情を察したディアーナが微笑を送った。
その一言で、オーブが遠い地に残して来た愛妻からのメッセージだとアルムレディンも気付く。
意外なディアーナの鋭さにキールは一瞬目を瞠ったが、軽く一礼すると、談話室を後にした。
「メイ、俺だ。どうした?」
ダリス王宮の一角に与えられた自室に戻り、窓辺に座って意識を集中させると、キールはオーブに語りかけた。
『キール?良かった。初めてやってみたからちょっと心配だったけど、ちゃんとあたしの声届いてるんだ?』
「ああ、よく聞こえるぞ」
実は行使するとかなり消耗する魔法なので、キールもあまり多用しない魔法なのだ。
週に一度、クラインに残して来たメイに何か変わった事が無かったか尋ねる程度である。
メイにも扱い方は教えてきたが、いつもはキールが行使する側だったので、実際に彼女がこの魔法を使ったのは初めてだった。
『あのね、明後日の満月の夜、月が丁度頭の真上に来る時間に、水盤とこのオーブを用意して待ってて欲しいの』
「水盤?」
『詳しい話は内緒だよー。あたしにも出来るかどうか、判んないしね。それじゃ、またね♪』
かなり一方的に言葉を伝えると、オーブは静かに輝きを失った。
「水盤……?あいつ、まさか『水鏡』でもやる気か?」
水鏡の魔法。一般に『水鏡』と呼ばれるそれは、水盤に映した姿を全く別の場所に存在する他の水盤にも映し出すという魔法だ。
確かにメイの実力なら、やってやれない事はないだろうが……
「あの馬鹿長い呪文を詠唱するのは、さぞかし苦労するだろうな……」
キールもこれまで何度か『水鏡』は使った事がある。その度に、あのつらつらと長い呪文に辟易するのだ。
他の魔法と比べてみても格段に長いあの呪文を、一言一句間違えずに唱えるのは、キールでもそうとう集中力を必用とする。
おまけに『水鏡』を発動させられるのは、満月の夜に限られているのだ。
その時期限定という不便さもあって、余程の事が無い限り使われない魔法なのである。
魔道書を見ただけで、その困難さはメイにも判った筈だ。それを敢えて試みるという。
「何をする気かしらんが…久し振りに、あいつの顔は見れるかな」
口にはしないが、それが何より嬉しい。
ダリスに来てから久しく見せた事の無かった穏やか笑みが、キールの顔には浮かんでいた。
二日後、深夜。
部屋の中央のテーブルに水盤を置き、その傍らにオーブを置く。
魔法の名の由来そのままに、鏡のように澄んだ水盤を前に、キールは時を待った。
真上で輝いていた満月がほんの少し傾き始めた頃、不意に馴染んだ気配を感じ、キールが静かな水面をじっと見詰める。
まずオーブが淡い光を宿した。次いで水盤から、湧き出した泉の水が溢れるように、微かな光が放たれる。
キールはテーブルの脇に立ち、水盤の中を覗き込んだ。
灯りを落とした部屋の中で、周囲の闇を映していた水盤に滲むように像が結ばれて行く。
ぼうっとした淡い像が徐々に鮮明さを増し、やがて懐かしい姿を映し出した。
『キール、あたしの姿見えてる?』
「ああ、ちゃんと見えてる……久し振りだな」
オーブを介して、メイの声が伝えられる。
彼女の顔を見ながら声を聞いたのは、約一ヶ月ぶりだった。
「あの呪文を、よく間違わずに詠唱出来たな」
『そりゃもー、大変だったわよ。一度失敗しちゃって、だから少し遅くなったの』
あははと、メイが後ろ頭を掻く。道理で指定していた時間よりも遅かった筈だ。
「『水鏡』の呪文は、俺でもたまに嫌になる。時間が掛かっても成功しただけ大したもんだ」
『そうでしょ。もっと褒めて褒めて♪』
水鏡の向こうではしゃぐメイの姿は、何故だか少し寂しそうに見えた。
笑顔の下にある、隠せない何か―――同じ想いは、きっと今の自分の胸の内にもある。
「メイ…あまり時間がないだろう?」
彼女は瞬発力は折り紙付きだが、発動させた魔法を持続させるのは苦手なのだ。
それは安定して魔法を発動させる制御能力とはまた別のもので、それ故にメイにとっては『水鏡』は不得手の部類に入る。
「何か変わった事はないか?シオン様やシルフィスに、時々様子を見てくれと頼んであったんだが」
自分が居ない間、彼女が寂しい思いをしないようにと。
キールの言葉に掃いたように真顔になったメイの顔には、確かに微笑が浮かんでいた。
手を触れたら壊れてしまいそうな程、儚い笑みが。
『…うん、シオンやシルフィス、ガゼル、時々隊長さんまで来てくれる事があるよ。こっちは全然平気』
「そうか」
『キールこそ、ちゃんと御飯食べてる?ちょっと痩せたんじゃないの?』
メイに指摘され、キールは自分の頬から顎へと手を触れる。
「そうかもな。必要最小限の食事はしてるが、はっきり言ってあまり食は進まない」
一人で摂る食事が、こんなにも味気ないものだとは思わなかった。
ディアーナの気遣いで、食事はクライン風の物がよく出される。
普段は彼自身の希望で、自室で食事を摂るのだが、時々はディアーナやアルムレディンと共に食事をする事がある。
一人で食事するのも気詰まりだろうからという彼らの心遣いなのだが、キールにとってはあまり変わらなかった。
『ちょっと、大丈夫なの?無理してるんじゃないでしょうね?』
「倒れるようなヘマはしない。ちゃんと寝てるし、食ってるよ。ただ、どんな料理も美味いと思わないだけだ」
―――ここには、お前がいないから。
例えディアーナやアルムレディンが同じ席に居たとしても、彼らはたった一人の存在の代わりにはなれない。
水鏡の向こうで、メイの顔が俯いた。まるで、キールの心の声が聞こえたかのように。
「……『水鏡』は何度も使える魔法じゃない。メイ、最後にもう一度お前の顔をよく見せてくれ。今日は…俺の誕生日なんだ」
メイの指定した満月の夜が明けたら、キールの誕生日だったのだ。満月は既に西の空に傾き始めているから、もう当日の筈である。
『……知ってるわ。だから今夜、この魔法を使ったんだもの』
ポツン、と水鏡に波紋が広がる。
『ちゃんとキールの顔を見て、おめでとうって言いたかったんだもの』
新たな波紋が広がっては消えて行く。それは俯いたメイの瞳から水盤へと零れ落ちた、彼女の涙の軌跡だった。
「メイ……」
『ごめんなさい。心配させるから、泣かないって決めてたのに……』
例え毎日のように友人が訪ねてくれても、一番傍に居て欲しい人が居ない。
時々はオーブを介して話す事は出来たが、オーブはその人の温もりまでは伝えてくれなかった。
どうしても会いたかった。顔を見て、話をしたかった。
大丈夫だよと、元気でやっているから心配しないでと、空元気でもいいから笑顔を見せて、安心するキールの顔が見たかった。
それなのに。
『ごめん…ごめんね、キール。あたし、どうしてもキールの顔が見たかった。キールの顔さえ見られたら、きっと心から笑えると思ってたのに』
いざ叶うと、涙が堰を切ったように溢れ出て止まらなかった。
ギリギリの所で張り詰めていた何かが、ぷつりと切れてしまったかのように。
「……俺も、ずっとお前の顔が見たいと思ってた。だから…嬉しかったよ。もう少し、気の利いた事が言えればいいんだがな―――済まない」
本当なら手を差し伸べて、彼女の涙を拭ってやりたかった。今すぐ胸に抱き締めて、もう泣くなと言ってやりたかった。
遠い空の下でも、いつもお前の事を想っていると―――
涙を拭い、メイが顔をあげる。目は赤かったが、それでも何とか笑みを浮かべていた。
『もうすぐ魔法の効力が消える…キール、忘れないで。あたしはいつも、キールの事想ってる。どこに居ても、どんな時でも―――
だから、少しでも早く元気に帰って来て。あたしはここで、待っているから』
貴方の帰る場所で待っているから―――
祈るように呟かれたその囁きを、キールは確かに受け止めた。
「ああ。新年は必ず二人で祝おう」
『約束よ……お誕生日、おめでとう』
最後は心からの笑顔を映し、水鏡がその輝きを失う。
だがその代わりのように、キールの翠の瞳には強い力が宿っていた。
「……さて、明日から少し予定を繰り上げていくかな」
メイとの約束を果たす為に。
二度と彼女の笑顔を曇らせる事がないようにと、キールは遠い空の下で、愛しい妻に想いを馳せていた。
【FIN】
あとがき
ま、間に合った(笑)滑り込みでキールのお誕生日記念SSです。
本当は次回でUPする予定でSS打ってたんですが、それだとキールの誕生日を過ぎての更新になってしまい、
イマイチ盛り上がりに欠けるような気がしたので急遽仕上げる羽目に。
おかげで今回は、るろ剣とFE聖戦とファンタの全てで新作SSがUPされるという、恐ろしい事態になりました(^_^;)
一週間に3本もSS打ったら上出来だよな…ははははは…
筋的には、メイの誕生日記念SSにした『例え遠く離れても』の、少し後のお話になります。
設定上、普段はあまり書く機会に恵まれないディアーナやアルムレディンが若干出張ってる(笑)
キールはダリスの王城に、一室用意してもらってそこで寝泊りしています。食事もその部屋で。
一人の方が気がラクだからという、彼自身の希望です。決してディアーナ達がキールを冷遇しているんじゃないんですよ(笑)
キールの誕生日である10月15日というのは、私にとっても非常に意味のある日です。
実は旦那とお見合いしたのが二年前の10月15日だったり(笑)
確か行きの車の中でキール好きの友人に、『今日はキールとアイシュの誕生日だね〜。私はこれから見合いさ〜』とメール打った憶えが。
でも旦那は忘れてるんだろうなぁ(^_^;)
麻生 司