気弱な道化、正直故の臆病さ

例え銃火の前に立つ強さは無くても、

子供達は彼の優しさを知っている。

【アーサー・カミングス・Jr】


1996年

1999年
誕生日:1978年4月1日
星座:牡羊座
血液型:A型
国籍:イギリス
身長:178センチ
体重:85キロ
キャラクター個人設定 アニメディア1986年8月号第一付録 蒼き流星SPTレイズナー≒MOOKより


火星体験教室の生き残り。十六人の生徒の中では最年長だった。
実際には気が弱く、押しも弱い為に何事に対しても逃げ腰になりがちだったのだが、それでも
メンバー最年長という自尊心から、勇気を振り起こして幾度も仲間の窮地を救う。
イギリスの名家出身。シモーヌに淡い恋心を抱いていたようだが、結局片想いで終わりそうな
気配。

エイジの事は当初懐疑的に見ていたが、やがて仲間たちに同調するように、彼自身もまたエ
イジに信頼を寄せるようになる。決して疑り深い訳ではないのだか、周囲の目を気にしすぎて
自己主張が出来ない一面がある。悪く言えば日和見主義。しかし一番人間の本質に近い面
を現していた。

彼自身はSPTに搭乗する事は無かったが、主にシャトル搭載の機銃を使ってエイジ達を援護
したり、時にはシャトル自体の操縦制御も行った。
同性のデビッド達には様々な点で劣等感を抱き、女性のシモーヌからは意気地が無いと厳し
い言葉で尻を叩かれ散々な言われ方をしているが、子供(月基地で保護した体験学校の生徒
達)や動物(第二部登場のガウ)などからは、何故か無闇に好かれる傾向がある。


1999年、彼はグラドス軍の第二大陸(ヨーロッパ)支局で働いていた。
火星以来の仲間と連絡も取れないまま三年の月日が流れていたが、ある日再会を促す招待
状が届く。ロアンの計らいで都合よく(と思っているのはアーサーの方で、ロアンは全て承知
の上で彼を転属させたのだろう。本人は否定しているが、まず間違いないと思われる)ニュー
ヨークに転属したアーサーは無事に仲間と再会を果たし、以後は常に発覚の恐怖に怯えな
がらも、レジスタンスに重要情報をリークする役割を担っていた。

かなり要領が悪いので度々窮地に立つものの、幾度かロアンの機転で最悪の事態は免れ、
無事地球解放の日を迎える事になった。またここぞという時に陰ながら奮闘し、デビッド達の
危機を救う。ロアンの起こした反乱のごたごたが収まった後、彼とエリザベスと共にクスコの
アンナ達と合流。地球へ帰還したエイジを共に迎える事になる。


戦闘面での目立った活躍は無かったが、彼には名台詞が多い。

『いいかエイジ、はっきり言うとな、敵さえ頭上に居なかったら、ダニー少佐が軍人だろうと殺
 人犯であろうと、俺達は一緒に帰りたいんだ。それ程地球に帰りたいのさ!』
『ロアン、死ぬんじゃないぞ。生きて皆でもう一度会うんだから。僕らは死んじゃいけないんだ。
 いいかエイジ、僕ら七人、七人全員でもう一度会うんだ!』
『それでも僕は信じてるぞ!信じてるぞーー!!』
(↑注・誰に対して言葉かはネタバレの為に伏せておきます)
『エイジーーッ、皆、こんなに待ってるんだぞーー!早く帰って来ーい!!』 など。



【管理人の個人的なコメント】




彼は恐らく一番私たちに近い存在です。人の持つ弱さや脆さ、そういったものを身をもって現していた
キャラだったと思います。

服従か死かという究極の二者択一を迫られて、一体どれだけの人が信念の為に迷い無く死を選べる
でしょうか?本作中ではエイジやデビッド、アンナ達が余りにも高潔に、潔く描かれているのでアーサー
の優柔不断さや弱腰っぷりが強調されてしまっていますが、実際には彼のような生き方を強いられて
いる人が大半だと思うのです。

彼は言っていました。『生きて行く為には、やりたくない事や嫌な事だってやらなきゃいけなかった』と。
誰が彼を責められるでしょう?レジスタンス活動に身を投じると決意したのがデビッド達の意思なら、
甘んじてグラドスの支配を受けて生き延びると決断したのはアーサー自身。
確かにそれで、彼は生き延びた。決して居心地の良い生活では無かったかもしれないけど、衣食住に
困る事無く、仕事を与えられ、生きる事を許された。
生きて種を残すという観点で言えば、実はアーサーが一番利口だったと思います。

しかし自ら望んでグラドスの支配を受けたとは言え、ロアンほど上手く立ち回れなかったお陰で随分と
割りも食いましたが。何度ロアンにボコボコにされたら要領が良くなるのか…(笑)しかしあれでロアン
自身が制裁を加えていないと、本当に死ぬまで拷問される可能性があるので、あれは手荒い保護なの
ですね(^_^;)殴られたアーサーも大変だったでしょうが、殴るロアンも相当痛い思いをした筈です、精
神的に。

でもアーサーの良さは、その調子の良さと甘ちゃんな所。そして勿論、根はいい奴なのです。子供や
動物にやたらと好かれるのがその証拠。心の歪んだ人間に子供と動物は懐きませんからね。
ロアンに真意を問い質し、それでも頑なにグラドスへの忠誠を誓う彼に、最後まで『僕は信じてるぞ』と
(上で伏せてるのにこっちでネタ晴らししてしまった・苦笑)言い続けた彼の優しさが泣けてきます。
あの叫びはロアンにとって、本当に嬉しかったと思うんですよ。納得して敢えて汚泥に身を浸したとは
言え、やっぱり裏切り者と呼ばれ続けるのは辛かったと思うんです。地球がグラドスから解放されて
以降は、案外アーサーとロアンがいい友人同士になるんじゃないでしょうか。

声優、鹿股裕司さんの代表作:
主に俳優として活動されていたようですが、声優としての代表作はレイズナー以外にほとんど検索出
来ませんでした(^_^;)古い作品ですが『あらいぐまラスカル』に出演されていたようです。


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