#1 〜 #5
#1 あかい星にて |
まずはOPから軽くツッコミをば。走ってくるエイジの肩が、妙に狭いと思うのは私だけでしょうか。肩幅自体は然程でもな いんですが、肩から腕にかけてのラインが妙にバランスが悪いような…そして短い時間にちょっとずつアンナやシモー ヌ、ロアン達が映って行くショットで、彼女たちが着ている制服らしきモノ。あれは恐らく体験学校の制服だと思われます が、哀しいかな本編では一度たりとも出て来ておりません。自作キャラ紹介のページで、こっそり1996年時のアン ナ達が着てるのがこの服です、一応。設定画はあったけど、後でDVD見直してたら、一度もこの服着てない事に気付き ました…でも気付いた時には既にペン入れが終わってた(泣)線画のみで正確な色設定が判らなかったので、インナー のデザインとか、色合いはかなーり適当です(T_T)まあ、そんな同人サイトの管理人の嘆きは脇に置いておいて。 物語は1996年10月3日からスタートする訳ですが、この時点でレイズナーの世界ではソ連が存在しています。きっと ドイツも、未だに西と東に分かれてるんでしょう。(ちなみにソ連ことソヴィエト連邦は1991年に崩壊しています。ドイツの 東西合併は1990年10月3日←たまたま例に挙げたら、凄い偶然。レイズナー世界の開始日と年は違うけど同じ日!) まあ、放映当時はまだ冷戦の時代だったので、これも一種の時事ネタですね(笑)地球上での冷戦は月や火星にまで 持ち込まれ、国連所属のシャトルがやって来るだけで、仲良く両国のスクランブルが掛かります。事前に申請とかして ないんでしょうか?それとも申請してても、確認の為にスクランブルが掛かるんでしょうか。どっちにしても、経費と人件 費の無駄遣いには違いありません。だからグラドス人に、地球人は愚かだと言われてしまうんでしょう。 さてストーリーテラーのアンナの語りで、物語は進んでいきます。どうやら体験学校の倍率は相当高かった模様。運良 く採用された第一陣の子供たちは、その時点で人生の大半の運を使い切っていたものと思われます(笑えない)。 基地に滞在中は二人部屋らしく、アンナとシモーヌ、ロアンとアーサー、デビッドにジュノという振り分け。ここでアーサー の潔癖ぶりに、何気にロアンが小馬鹿にしたような表情を見せています。正直な子(笑)テーブルクロスが皺になって も気になるようなお坊ちゃんが、こんな所に来てんじゃねぇよと言った所でしょうか。さり気なく毒を吐きますが、鈍いアー サーは自分の寛容さに感心するだけで、ロアンの嫌味には全く気付かず。 その後生徒たちは宇宙服を脱いで、私服で初めての講義に臨むんですが、この時点で引率だったエリザベスは着替え ていません。それどころか胸のジッパーを半ば下ろして、下着とも見せるインナーともつかない物をチラつかせていま す。中途半端にリラックスするくらいなら、さっさと着替えてくればいいのにと思ったのは私だけでしょうか。一体彼女は 誰に対して何を主張したかったのか。子供たちの目に毒だと、とりあえず同僚が注意すべきです(笑)この辺りでCMに 入るんですが、アイキャッチ音が#2以降と違います。だからどうしたと言われても困るんですが、此処はそういう細か いツッコミを入れるコーナーなので(開き直り) 国連基地は突然、国籍不明機の襲撃を受けます。と言うか、国籍どころかあんな機体を見た事すら無い筈です。スタッ フの中にジャパニメーションマニアが居れば『モビルスーツだ!』くらい叫んだかもしれませんが。戦闘機やミサイル はともかく、人型の兵器なんぞが地球の技術で存在している筈はないのですけど、取り敢えずの判断として米ソどちら かの戦略兵器という仮定に辿り着きます。じゃあどっちがどっちを攻撃してるんだと言う話になりますが、結論が出る前 に管制塔は吹っ飛ばされて、基地の責任者を初めとした大半のスタッフがご臨終と相成ります。 基地に緊急警報が鳴り響く中、宇宙服を身に着けて避難するアンナ達。身体一つで逃げなくてはならない状況下に、ア ンナは咄嗟にバラの花を持って逃げます。火星で一番最初に咲いたバラ、という事で彼女の宝物であった訳ですが、 感覚的には夜中の火事で枕を持って逃げるようなもんでしょうか。 そして#1のラスト数分になって、ようやく主人公のエイジ登場。姿かたちが地球人と全く変わらないというのは、後々の 設定で理由が明かされるわけですけども、それにしてもいきなり言葉が通じているのはどうした事でしょうか(笑)姿 はともかく、絶対言語は違う筈です。しかし管理人の手元にある虎の子の資料(二十年前の雑誌付録)によると、彼は 『父の言葉で叫んだ』という記述があるので、恐らくは英語で話し掛けたものと思われます。エイジの父ケン・アスカは日 本人ですが、宇宙飛行士になる程の人ですから英語は堪能だったんでしょう。体験学校の生徒たちも国籍はバラバラで 母国語は違う筈ですが、会話がすんなり成り立っている事から、共通言語として英語が話されていたようです。 そして敵の本拠地である『グラドス』という星の名が、#1のアフレコ当日まで『デウズス』だったと言うのは豆知識。恐らく ギリシア神話の『ゼウス』を元ネタにしたんだと思いますが、企画段階から舌を噛むスタッフが続出した為、『これ以上犠 牲者が増えないうちに』と、監督の愛の一声で変更になったんだそうな。 |
#2 彼の名はエイジ |
さていきなりやって来て『グラドスから来た』と言っても、信じて貰えるはずがありません。ちなみにグラドス星はブルドリア 太陽系の惑星だそうですが、これっておかしな表現の仕方だと思うのですよ。 地球が属する星系の核となる恒星の名を『太陽』と言うのであって、だからこそ太陽の周囲を巡る惑星を含めて『太陽系』 と呼称するわけです。従って『太陽系の地球』というのは『太陽デパートの地球支店』と言った感覚で、『ブルドリア太陽系 のグラドス星』と称してしまうと、『ブルドリアデパートの太陽商店のグラドス支店』という、訳の判らない状態になってしまう と思うのですが、細かい所を突っつき過ぎでしょうか。それとも私が知らないだけで、星系の核を成す恒星は自動的に太 陽と呼ぶものなんでしょうか。地学の勉強をしていたのはもう十三年も前の話なので、細かい事情が判りません… もっともエイジはそんな事は百も承知で、単に地球人達に手っ取り早く説明する為にそう呼称したのかもしれまんせんけ ど。『〜太陽系』と言っておけば、少なくとも違う星系から来たという事だけは認識して貰えるからと。まあ、そんな気遣い はあっさり無駄になって、頭ごなしに嘘つき呼ばわりされてしまうんですけど。 この段階で、エイジが早々に柔道の一本背負いを見せてくれます。取り押さえようとかかってくる国連のスタッフ、しかも 大の大人の男性を次々に投げ飛ばす様は、相当喧嘩慣れ、もしくは実戦慣れしてます。この事実を憶えていれば、 後々デビッドも痛い思いをせずに済んだのですが。 生き残った子供たちの相互の人間関係も徐々に明らかになって来て、ロアンはさり気なく歳下のアンナを気遣ってくれま す。アーサーはシモーヌを気遣うけど、軽くあしらわれて終わり(笑)この辺りで既に、アーサーのヘタレっぷりが顕著に 出て来てます。怯えるアンナ、落ち着かないアーサー、いつものようには頭が働かないロアンとは違い、シモーヌだけが デビッドの顔色が蒼白だった事に気付いてました。シモーヌの姐御(品の良い、精神的オトコマエ)、流石に胆が据わっ てます。一方その頃デビッドは、破壊された扉の前で涙。この瓦礫の向こうに眠る親友を想い、『あいつは僕を待っている』 と。……『僕』!?(笑)脚本さん、一人称間違ってます!もしくは大人の前だったからかもしれないけど、違和感ありまくり。 グラドスからの追っ手として、ゲイルがやって来ます。彼はエイジの姉、ジュリアの婚約者ですが、もう自分の事を『兄』と 言ってます。気が早い。地球人への攻撃を止めさせる為にエイジはコックピットを出て、レーザードガンの飛び交う中に 生身を晒してしまうわけですが、あまりにも無茶過ぎる。あの状態で一発もエイジに当てないゲイルと部下は、ある意味 凄い。まさか下手な鉄砲は数を撃っても当たらないって事なんでしょうか。しかしゲイルが下手に物分りの良い人だった為 に、エイジにとっては更に事態をややこしくする相手を招く事になります。A型エイジの胃の痛い日々はまだまだ続く。 |
#3 その瞳を信じて |
殺人を暇つぶしと言い切ってしまう、人格破綻キャラ・ゴステロの登場です。以前ソデにされたジュリアの事を未だに根に もっており、逆恨みの対象は彼女の婚約者であるゲイルに留まらず、もはや色恋沙汰とは全く関係の無いエイジにまで 及ぶ始末。姉の人間関係のゴタゴタに巻き込まれ、エイジ大迷惑。それはともかく、物語的には非常に重要な(特に エイジとアンナの関係を語るには)話であるにも関わらず、微妙に作画が見劣りするのが気にかかるところ。 レイズナーの機体の何処かに、『made in Japan』の文字を探してみる国連スタッフ。出所がアメリカでもソ連でも無いとし たら日本だろうかという推測は、一時の冗談だとしても、技術大国として認めれてると言う事なんでしょうか。しかし機体そ のものは別にして、あのレイの受け答えなんかは、確かに日本の技術者がやりそうな芸当だと思う。小さくても高性能が、 日本の技術の売りだし。言語とか会話のシュミレーションプログラミングといった地味な作業に向いてる国民性だと思うの ですよ。 で、たまたま様子を見に来たのか、一人でエイジの軟禁されている部屋の前にやって来たアンナ。覗き窓から見える彼の 瞳に、速攻でフォーリン・ラブ状態です(笑)あああ、確かにエイジは良い子なんだけど、そんな一目惚れで一生の選択を しちゃっていいのかアンナ!(^_^;)たった一人で大人たちを説得に向かいますが、十四歳の娘っ子の言う事を、大人たち はまともに取り合ってくれません。とある男性スタッフの下品な発言にエリザベスが激怒。更に『お嬢ちゃん』と明らかに子 供扱い(呼んだのは先の問題発言の男性スタッフ)されたアンナが、ムッとした表情で『お嬢ちゃんじゃありません』と睨み つけ、意外と我の強い一面が伺えます。この期に及んで生き残ってるだけあって、運もあれば胆も据わってる。将来エイ ジが尻に敷かれないか心配です。 敵の襲撃に再びレイズナーに搭乗するエイジですが、CO2(=ドライアイス)で関節駆動部が凍結中。すぐそこまで敵が 来てると言うのに、ドライアイスが融けるまで身動きが取れません。(下手に動くとそのまま駆動部を破損するので) そのままザックリやられていても不思議じゃない状態だったにも関わらず、ゴステロが『なるべく相手をいたぶって殺す』 という、迷惑ながらも特異な嗜好の持ち主だった為、辛うじて救われる。 基地に生き残ったメンバーの中で、アンナだけがエイジを信じる姿がいじらしいです。 |
#4 心のこしての脱出 |
のっけからコンソールパネルの上に脚を上げて、ガチャガチャとスイッチの蓋を開閉させているゴステロ。元々素行の悪さ からあまり尊敬されてなさそうなキャラですが、ここでも部下のロベリアにめっちゃ睨まれてます。スイッチガチャガチャ以 前に、本隊への連絡はしなくてもいいと言った一連の横暴さに対して、眉をひそめているわけですが。しかしこうして出て 来るグラドス側の面子を見ていると、良くも悪くも両極端な人材が多いような気がします。良心的か、人格破綻者か。ゲイ ルやロベリア、そしてかつてのエイジ(グラドスに居た頃)などは勿論前者ですが、壊れた人も非常ーーに多い。(特に第 二部に突入すると一層…)よくこれで一国の軍部が成り立っているなと感心します。上層部によほど統率力があるのか、 それとも部下以上に壊れた奴が仕切っているのか。さあ、真実はどっちだ。 生き残った子供達の中でも、エイジの事を信じようとする感情が徐々に芽生え始めてます。アンナが筆頭で、次点がロア ン。シモーヌもエイジ寄りになって来て、アーサーはそのシモーヌに釣られ気味。デビッドだけは頑なにエイジに反発。 もはや箸が転げるのも、好きなアイドルが駆け落ちするのも全部エイジのせいだと言わんばかりの突っかかり方。二人の 決着がつくのはもう少し後の話。 残されたエネルギーの残存量の関係から、秒単位の戦闘をするレイズナー。かなり切実で涙ぐましい努力です。ライフル を使うと消費がデカイので、ナックルショット(ようするにSPTの拳で相手をドツく)で10秒エネルギー消費を抑えるとか。 この後、ガステンのSPTから根こそぎエネルギーを奪ってレイズナーは再充填出来たわけですけど、そもそも上手くチャ ージが出来なかったらどうする気だったのか。計画性があるようで意外に行き当たりばったりな行動に、少々不安を覚え ずにはいられません。 |
#5 まもられても、なお…… |
アンナビジョンでは、もはやエイジは英雄以外の何者でもなくなっています。デビッドとは正反対で、敵が去っていくのも自 分の食事の分け前が増えるのも、全部『あの人が守ってくれた』と(笑)まあ結果的にそういう事になっているので、アンナ がそれで納得してるのなら、幸せフィルターも悪くは無いのかなと。人間、ポジティブ思考が一番の活性剤ですから。 追手の攻撃(レーザードガン)を、目視で見切って砂上車を避けさせるビル。凄い人です。もう一台の砂上車も岩壁を走っ ました(笑)。生き延びる為に何気に凄い事をやってくれる国連スタッフ。実はA級ライセンス持ちか? 何とか逃げ込んだ無人観測基地で非常食の分配を任された子供たちは、一応エイジの分まで準備。が、それを運んだデ ビッドが、彼に手渡す前に全部地面に落として捨てるという暴挙に出る。何故だ、何故なんだ!どうして明らかに何かしで かしそうなデビッドに運ばせるんだ!!(笑)デビッドは食べ物を捨てただけではなく、煽った上にボコボコにエイジを蹴りつけ る始末。よくもまあ、あれだけいいように蹴られて、エイジも内蔵を傷めなかったもんだ。多分、身体を丸めて腹筋に力を入 れて、極力内蔵へのダメージを抑えてたんだろうな。やっぱり、かなり喧嘩慣れしてる模様。しかも、やられる方。 シモーヌにグラドス人は喧嘩をしないのか、と尋ねられて返事をしなかったエイジだけど、実は経験ありまくりで答えるの が嫌になったんじゃなかろうか。 議論もし尽くして、改めて米軍基地を目指す地球人達ですが、抵抗も空しく、国連のスタッフだけが乗っていた砂上車が個 別の狙撃を受けてほぼ全滅。一人だけ何とか助けだされますが、もはや錯乱状態で一人では歩く事もままなりません。 確実に生き残ったのは子供たち五人と、エリザベス、そして国連スタッフ二名。今後の生存確率、エイジ込みで約66%。 |