POSTSCRIPT

このお話、元は企画創作をしていた際に没ったネタを再構成して出来上がったSSです。
まさかここまで長いお話になるとは思っていませんでした(^_^;)FE部屋創作の最長記録更新です。どうりで書いても書いても終わらないと…(笑)
主要なエピソードの打ち込みは済んでるのに、合間を埋めるのに手間取ってしまい、予想以上に長いお話になってしまいました。

真っ先に浮かんだのが冒頭のクロードとシルヴィアの会話。そしてラストのシルヴィアの言葉。
聖戦士の末裔というのは遺伝的にかなり超人じみた力を持っているためか、
ゲームをしていても、戦時中の物語であるのに彼等自身に降りかかる死の恐怖をリアルに感じた事がないんですね。
そもそもFEって、『死んだらリセット』が基本なゲームですし(笑)
だから今回、『現状のままでは避けられない死』をテーマに据えてみました。
病気は聖戦士の末裔も一般人も関係無しに襲うんだよという事で。

レヴィンが聖戦士の直系の義務(血と力を受け継ぐべき子を残す)を話した際、
トラキア到達時点でユリアがバーハラ王家の血を引いている=ナーガの直系である事実は、レヴィン、オイフェ、シャナン等しか知らないので、
敢えて聖戦士の直系たちの中に、彼女の名を連ねませんでした。ユリア本人の記憶も戻っていませんので。
ユリアが自分の出自を思い出していたならば、恐らくアルテナと同じような表情を浮かべたと思います。

風土病は司祭の記録には接触により感染するらしいと書かれていましたが、より正確に言うと接触+飛沫感染です。→参考サイト
直接接触の他に、咳などで飛散した感染者の唾液等を、呼吸や接触(キスとか)により体内に入れる事で二次感染するんですね。
だからセティへのティニーのキスは、本気でヤバかったんでした(笑)
セティが瀕死で戻った時点ではまだ元気でしたけど、彼女が発症するのも時間の問題だったのです。
感覚としては重度のインフルエンザ。死者も数多く出ており具体的な例として出すのは気が引けるのですが、もっと言うなら数年前に一部地域
で流行の兆しを見せたSARSが一番近いかなと。特にセティが心配した、『接触による感染の危険』がとてもリアルで…→参考サイト
参考サイトの『感染源は何か?』という項目内の『濃厚な接触って、なに?』をご覧になってください。実は書きあがってから確認の為に見付けた
サイトだったんですが、当てはまってるなぁと……抱擁や1メートル以内での会話も駄目なんだそうです。頑なに仲間との接触を避けようとした
セティの心情が思い遣られます。

作中しばしば『司祭位を持つ』という表現を使っていますが、中でも高司祭位を持っているのはラナ、コープル、リーフの三人だけです。
つまりクラスチェンジする事で杖Aになる人達が高司祭位保持者。残りは全て一般の司祭位。
恐ろしく魔力の高いユリアやセティでも、杖スキルはBまで。よって彼等も司祭位しか持っていないのです。
セティが言っていたように例えCランクのライブの杖でも魔力の高い人が使えばリカバー並の効果を持つわけで。希少価値の高い筈のリカバー
の杖でさえBランクなので、実際問題として所持スキルが杖Cだろうが杖Bだろうが、あまり困った経験は無いと思うんですけども。
ちなみにAランクの杖はリザーブとレスキューのみ。あったら便利だし大事だけど、絶対居る杖でも無い辺りが微妙(笑)

神殿を守っていた神官兵は、セティの想像通り、実はトラキア王家の縁戚である下級貴族の出身という設定でした。
シアルフィ家のオイフェみたいなもんです。彼の一族が王家と縁戚である事は、今ではもう国王しか知りません。
数代前の国王の手が付いて子供を授かった娘の子孫で、以降王家に一応生活の面倒は見てもらったけど(で、貴族の称号を貰った)、王位の
継承権とかは持ってません。自分達が王家の血を引いているという事実は認識しているけど、権威権力に興味を示さない一族だった事が幸い
して今に至ったと言う事で。
遠いながらも王家と血縁があり、なおかつ忠誠に篤い一族だったので、生前のトラバントはかなり信を置いていたのです。
アルテナは彼の存在を知りませんでしたが、王位を継承する資格のあったアリオーンは知っていました。(直系の長男ですしね)
血が薄くて後継者にはなれないけど、聖戦士の末裔には違いないので、セティが既に発症していて具合が悪い事とかも判ったのですよ。
恐らく普段から鍛錬を欠かさない人で、聖戦士の血よりも経験と勘で察したんでしょうけど。
達人は相手の呼吸や心拍数を感じ取って力量を見抜くと言いますし。

グルティアの神殿は、キリストの死後、その教えを受け継いだマグダラのマリアが晩年修行を続けたという南フランスのサント・ボームの洞窟が
モデルになっています。マグダラのマリアについては、『ダヴィンチ・コード』に興味がある方は聞き覚えがあるかも…映画の上映に関連して、
2005年3月に放映された米倉涼子さんと藤木直人さんがナビゲーターになっていた番組が再放送されたら、そこにも映像として紹介されるので
すが。(私はこの番組の映像を見て、これだ!と思ったので。面白い内容だったので、録画していたビデオを取っておいたのですよ(^_^))ちなみ
に2006年5月20日にフジ系列で放映されたダヴィンチ関連の特番は、この番組の内容を引き継ぐ形になっていました。ナビゲートパートナーは
藤木直人さんから堺雅人さんに変わっていましたが(内容自体は前回と一部重複。そしてかなり『ダヴィンチ・コード』のネタバレ(笑))
運良く現地の写真を掲載しているサイトを見付けたので、雰囲気を感じて見たい方はそちらでご覧下さい。
→参考サイト:プロヴァンス滞在記 (特集2のサント・ボームの洞窟を参照)
         マグダラのマリア

あと『聖戦の系譜』には、実はリワープの杖は存在しません(^_^;)
リワープがアイテムとして使用出来るのは『トラキア776』なんですが、便利なので使わせて頂きました。
リザーブの杖の継承事情と使用限度、バルキリーの杖の使用制限(一度使用したら数年間使えない)等の設定は、勿論ウチのオリジナルです。
修理屋で直したら使い放題ではありがたみも無いし、色々展開に差し障りがあったので。
ティニーがバルキリーで蘇生された云々のお話は、『君と紡ぐ夢』を参照の事。

2006/4/27  麻生 司


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